日本は、第二次大戦後の焼け野原からの復興のため、
欧米にならって物質的な豊かさや経済成長を追求してきました。
欧米の経済に大きな思想的な影響を与えたのは、
ジョン・ロックとアダム・スミスといわれています。
ジョン・ロックは、自然について、
「人間の手を加えないものは、まったく『無価値』であって、
手を加えることによって、はじめて『有用なもの』になる」
と言いました。
その思想が広く受け入れられ、機械の時代が到来しました。
機械の時代、「より速く」「より便利に」と、
新技術が次々と生み出されました。
技術は、さらに新しい技術を生みます。
技術開発の流れはとどまることがなく、
開発の速度も速まっていきます。
結果、一つの技術が「有用」である時間は
短くなっていきました。
先に生まれた多くの技術は捨てられ、
ゴミとなっていきました。
地球上の資源は、技術開発のために消費され、
あっという間に捨てられていきました。
資源は、不可逆すなわち、
いったん使ってしまうと、決して元の姿に戻ることはありません。
そのことに思いを巡らせない資源消費のあり方はいつか、
地球にある限りある資源を消費し尽し、
やがて「破局」が待ち受けている・・・
だから、日本人は今こそ、インドの生活の中にヒントを見出し、
新しい暮らしの価値観や発展の在り方やを
模索していかなくてはならない・・・
糸川博士は、日本と世界の行く末を心配し、語りかけてきます。
「技術の高度化は、人を幸せにするのか?(1)」への2件のフィードバック