以前、「プロジェクトX」という番組がありました。
今、改めて放送一覧を観てみると、
「もう一度観てみたい」というものが多くあります。
番組では、「トントン拍子で世の中に出したら大ヒットした」、
という商品・サービスは、とりあげられなかったように思います(笑) 。
そうではなく、ものすごい逆境を乗り越えて作られた
商品やサービスが、紹介されています。
社内の圧力があったり、
使命のためにチームが全力を尽くしたり、
技術的に大きな壁が立ちはだかっていたり、
経営が危機に瀕していたり・・・
あるいは、
「商品開発のきっかけになった、心を揺さぶる体験」
があったりします。
そんなエピソードを聞くのは興味をそそるものです。
夢中になって、話を聞いてしまいます。
商品・サービスの機能や価格といった情報は、
大脳新皮質で処理されます。
一方、「開発秘話」のようなエモーショナルな情報は、
感情を司る古い脳に伝わっていきます。
感情のレベルで受け止めてもらった商品やサービスは、
「情」が移るため、もはやコモディティとはなりません。
だから、価格競争の渦中から距離を置くことができるのです。
また、単なる業者扱いをされることもありません。
ですから、機能面で差別化しにくい商品・サービスこそ、
ストーリーが大切だと私は思っています。