まだまだ風がつよく肌寒いけれど、桜の見ごろを迎える頃になりました。
まだ葉もない灰色めいた枝にたくさんの蕾をつけ、
濃い灰色の幹を淡い紅色にかざっていく様子は、
この季節のすてきな風景です。
桜の花たちは、どんな夜にも、どんな寒い季節にも、
必ず終わりが来るのだと告げてくれているかのようです。
そして、暗く寒い時期に根を張って準備してきたことは
きっと蕾となって花開く・・・と教えてくれているかのようです。
人間にとって、準備することは
「問い」も「答え」も見えない、とても創造的なことです。
将来、人間の仕事のほとんどをコンピュータが担う時代が来ても、
夢を描いて、だれかの幸せを願って、
あきらめずに努力を積み重ねるロボットは登場しないかもしれません。
装うことは、理想の自分になるために準備すること。
服でも化粧でも、言動でも、無意識のままでいるのをやめること。
いつか遠い未来にではなく、今日から、素敵な自分になってもいいのです。
形から入ったとしても、いいのです。
それはやがて、ゆっくりと自分の内奥を変えていくのですから。