今朝は全国的に、
この秋一番の冷え込みとなりました。
昼間との気温差が10度以上あり、
春先に活躍したトレンチコートを、
ニットのうえに羽織って温度調整したい日です。
さて、今日は「握手」について書きます。
最近、テレビの旅番組などで、
海外の初対面の相手と握手を交わすシーンを
たびたび見かけます。
その中で、先方が片手の手を差し出すのを受けて、
多くの日本人はなぜか、両手で握手に応えるのです。
差し出した手を両手で包まれた相手も、
別段不機嫌な顔をすることもなく、
シーンは移っていきます。
握手という習慣は、日本人にとって、
まさに異文化のアクションそのもの。
日本では日常的に握手をする習慣がないので、
握手を求められる場面に遭遇すると
握り方や力の込め具合など、
さじかげんにとまどってしまうと思います。
さて、欧米文化では、特別な場合でない限り、
両手を使った握手はしません。
というのも、両手を使った握手(Double Hander)は
「政治家の握手」
と呼ばれ、
「私は誠実だ。どうか、私に信頼を寄せて欲しい」
というメッセージを伝えるために用いられるからです。
また、両手を使った握手は
「通常の握手以上、ハグ未満」
の行為と受け取られます。
信頼関係がまだ築けていない初対面の人に
両手で握手をすると、
たいていの場合、相手は
「初対面のこの人に、
両手で握手されるような理由があったかな?」と
違和感を持ち、場合によっては
不信感を覚えることもあるようです。
もちろん、幸運にも、
「親しみを込めて両手で握手してくれたのだろう」と
好意的に受け止められる場合もあるかも知れませんが、
相手にネガティブな印象を与えるリスクを
わざわざ犯す必要もないでしょう。
突然、握手を必要とする場面では、
まずは右手を差し出し、相手の目を見ながら
片手で握手をするのがオーソドックスな方法であり、
相手の感情に波風を立たせにくい方法です。
もし、両手を使った握手をする場合には、
長年会っていなかった相手や、
手紙のやりとりなどで既に人間関係ができている相手と
初めて会うシーンなどで活用すると良いでしょう。