普段の暮らしで私たちは、
周囲との関係や自分の役割に応じて、
無意識に身づくろいをしているものです。
例えば、取引先との打ち合わせに出向く時と、
友人宅でのホームパーティーに出かける時とでは、
いでたちも異なってきます。
いつ、どんな服を着るのか?
着ていく場面を考えて、身づくろいを決めるのは、
創造的で、楽しい悩みごとです。
さて、折々に現れては消えていく
ファッションをイメージで定義しようと、
これまで多くのスタイリストや関連団体が
独自の分類法を研究してきました。
今日は、内閣府認定 公益社団法人 色彩検定協会が挙げる、
代表的なイメージ群をご紹介します。
かいつまんで、それぞれのイメージと、
イメージを感じさせるような、
典型的なディティールの例を挙げてみます。
【ロマンチック】
- 夢見る少女のような、かわいらしいイメージ
- リボンやフリル
- パステルカラー
【エスニック】
- キリスト教国以外の国の民族衣装のような、
素朴で土着的なイメージ - スパイシーカラー
【カントリー】
- 田舎で過ごす時のような、野趣的なイメージ
- イギリスの田園生活、ウエスタンスタイルなどがある
- アースカラーなどのナチュラルカラー
【アクティブ】
- 明るく活動的なイメージ
- スポツウェアなどの機能的なデザインを取り入れたスタイル
- ビビッドカラー、コントラストのあるカラー
【マニッシュ】
- メンズスーツなどの「男性っぽいイメージを、
女性が取り入れた」ファッション - ネイビーブルーなどのダークカラー
【モダン】
- その時代をあらわす、象徴的なイメージ
- ディティールは、時代によって変化する
- モノトーンの白と黒
【ソフィスティケート】
- 都会的で大人っぽいイメージ
- 黒やアスファルトのグレイ、洗練されたベージュ
※こちらは、本日のお出かけスタイル(ソフィスティケート)です。
【エレガント】
- 上品で優雅なスタイル
- カラー、デザインとも柔らかな雰囲気
- グレイッシュパステルカラー
さて、以上の8つのイメージは、次のマップでまとめられます。
ちなみに、チャートの軸の反対にあるイメージは、
次のように、それぞれ正反対のイメージにあたります。
【ロマンチック】⇔【マニッシュ】
甘⇔辛
【エスニック】⇔【モダン】
伝統⇔改革
【カントリー】⇔【ソフィスティケート】
素朴⇔洗練
【アクティブ】⇔【エレガント】
動⇔静
ちなみに現在では、これらの軸の定義どおりの
純粋なファッションを街で見かけることは、少なくなりました。
そして、隣り合ったイメージを融合させたり、
さらには、対極軸のスタイルをあえて融合させた
ファッションも増えつつあります。
例えば、シルク素材のパーカーや、
パンチングレース加工の革スカートなどといった、
【アクティブ】×【エレガント】や
【ロマンチック】×【マニッシュ】を演出する装いや、
パンツやアシンメトリースカートにチュニックやガウンを合わせるなどの
【エスニック】×【モダン】の装いを、街で見かけることができます。
さまざまなスタイルが街にあふれているからこそ、
自分とのつながりを見つけるために、
イメージの源流を知るのは、役に立つことと思います。