タグ別アーカイブ: 新春

モノクロームの曇天に、春の兆しを待ちわびて

暖かい陽光に恵まれた昨日とは違って、
今日は冬らしい雨まじりの曇天です。

新春という時節だけに、
春の兆しが少しずつ訪れるのを楽しみにするような、
そんな時期がしばらく続きます。

今日は、そんな雨模様のモノクロに似た
景色に春の兆しを見つける気分で、
着合わせをつくりました。
Image

袖口とウェストがシープスキンで縁取られた
小さな千鳥格子のウールのライダースジャケットに、
シープスキンのパンチングレザーのスカートを合わせます。

ともするとハードな印象になりやすいライダースジャケットですが、
こちらは流れるラインのラグラン袖になっていて、なで肩効果を発揮。
また、手元にあしらわれたレザーは、
手首を華奢にも見せてくれます。
そして、レザースカートはパンチング入りで、
しなやかな印象をプラス。

アウターの辛口の印象とバランスをとるため、
インナーにはパステルトーンのシルクブラウスをセレクトしました。

こちらのブラウスは、
ラウラ・ビアジョッティという、
ローマのデザイナーによるもので、
かれこれ十五年以上もおつきあいしています。

若い頃にはこれ一枚で色を楽しみ、
最近では、モノトーンのアウターの中に
優しいニュアンスを加えるのに
一役買ってくれています。

ブラウスの模様に繰り返される都会的な淡い陰影と
大きめの襟が、曇天の中、
デコルテにほっそりとした立体感を添えてくれます。

胸元には、ローズクオーツとアリゾナターコイズのネックレスを重ねづけし、
ブラウスの色を小さく繰り返します。
Image

仕上げに、ULTIMATEの「CLEAN」を膝の内側にスプレー、
清潔な香りをまといます。
Image
最後に、指にダイヤモンドの白い光を添えて。
Image

かさねの色目を楽しむ

今日は一月初めの月曜日です。
いよいよ、本格的に新年いちばんの仕事が始まる日となりました。

今日は、日本人が平安時代の古くから慈(いつく)しんできた着物の配色、
「かさねの色目」を現代に蘇らせたいと思い、コーディネートをつくりました。
Image

この紅色の濃淡の組み合わせは、「紅梅(こうばい)」と呼ばれる配色です。
早春に咲く紅梅の花弁の色を表す、春のかさねの色目です。

宮廷の女房や公家の女性たちに愛されたこの配色は、
早春までに限られた色で、2月を過ぎてこの色を身につけることは
季節外れで興ざめなこととされていたそう。
いにしえの日本人の、春を心待ちにする思いを感じさせる色です。

調香師である大沢さとり氏が、日本の美意識を大切に紡ぎ出した
PERFUM SATORIの「夜の梅」を、手首にうっすらと香らせます。
Image

静謐で、ミステリアスな香りが、
ブラウスにまとったピンク色を、凛としたたたずまいに整えてくれます。

さあ、冷たい空気に負けず、
今年のはじまりを喜びで迎えましょう。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA