赤紫は、虹のスペクトラムの中にはない、不思議な色です。
どうしてスペクトラムに存在していない赤紫色を
人が見ることができるかというと、
目の中の「紫」を知覚する細胞と「赤」を知覚する細胞が、
赤紫色の光を受け止めて、脳の中で合成するからだとか。
赤紫の中でも、特にファッションで男女ともに使う色としては、
深みを感じさせるバーガンディやボルドー、
ワインカラーなどがあります。
深い赤紫色が使われているアイテムとしては、
たとえばカルティエの革製品。
あるいは、GURERLAINのSAMSARAという香水のボトル。
または、ロードライト・ガーネットのジュエリー。
深い赤紫は個性的な感性を連想させ、
情熱や、高い精神性、そして、
社会的なステイタスや贅沢さを感じさせる色です。
また、中世ヨーロッパ以来、貴族社会で用いられた紋章の中では、
赤紫は勇敢な自己犠牲を意味する家紋として使われてきました。
赤紫色は、自分がこの人生で本当に成し遂げたいことに気づき、
経験したことから得る「気づき」を自分のものとし、
着実に歩んでいくことをサポートしてくれる色と言えましょう。
また、赤紫色は、憂鬱な気分が続くとき、
そこから回復していくことを助けてくれたり、
憂鬱な気分から自分を守ってくれる色でもあります。
ネクタイやバッグに赤紫色を取り入れたり、
ネイルのワンポイントに赤紫色を使えば、
自分の目に一番触れられるところで、
色の効果を楽しむことができるでしょう。
赤紫色は、青みがかった深い色が得意なウィンタータイプの色。
でも、他のシーズンタイプの人でも、
次のポイントに沿って赤紫色を取り入れれば、
おしゃれに色の効果を楽しむことができます。
[スプリングタイプ]
スプリングタイプが深い赤紫を使うなら、
できるだけくすみを感じさせない、
葡萄色やマルーンをポイントで取り入れて。
トップスなどの顔周りを避けて、
ウォームグレイやピンクオレンジとともに、
少量を組み合わせると、
知的でエレガントな印象です。
また、反対色のアップルグリーンと組み合わせても、
調和します。
素材は、シルクシフォンや
ハイゲージでツヤを感じるコットンなど、
軽さと温かみを感じさせるものがお薦めです。
スプリングタイプが得意な、
華奢なゴールドのジュエリーと赤紫は良い相性です。
[オータムタイプ]
ピンクベージュやカーキ、マスタード、オリーブ色の服に、
マルーンの手袋、
深い赤みを感じさせるアルマンダイト・ガーネットのネックレス、
または、差し色にマルーンの入ったスカーフを組み合わせます。
一枚で着るなら、深い赤みを感じさせる
マルーンのドレスがエレガントさを添えます。
素材は、麻やモヘアなど、立体感のあるものが
ナチュラルさを感じるオータムタイプのクローゼットに調和します。
[サマータイプ]
ラベンダーやラズベリーの色とともに、
グラデーションを描くように、
やや青み寄りのまろやかなワインレッドやボルドーを組み合わせます。
はっきりとしたコントラストのある配色よりも、
穏やかに移り変わるトーンを取り入れると、
上品で知的な印象になります。
素材は、シルクジョーゼットや薄手ウールなど、
柔らかく軽さを感じさせるものがお薦めです。
[ウィンタータイプ]
葡萄色やバーガンディ、
ボルドーやワインレッドなど、
幅広く深い赤紫を着こなせるウィンタータイプ。
コートやドレスなどで、
赤紫色を一枚だけでまとうこともできますが、
モノトーンの服に差し色で使ったり、
鮮やかな青み寄りのピンクと組み合わせたり、
反対色の深い緑色と組み合わせても変化が楽しめます。
素材は、クロコダイルやエナメルといった光沢感のある革や、
ハリのあるシルクなどを取り入れて、
ドラマティックな印象をつくると魅力的です。
ぜひ、自分らしく赤紫色を取り入れて、
活力と不思議な力を手に入れてみて下さいね。