虹とニュートンとオクターブ

世の中の美しく心地よいものに、
理由があると思うでしょうか。

美しいものは、五感に触れる形で訪れます。

心を揺さぶる音楽や素晴らしい肌触りのリネン、
大地の恵みを感じさせる食べ物、
木々の新鮮なブーケ、
満天の星空に降り注ぐ流星、
あるいは、感動的な映画やプレゼンテーション。

もし、美しく心地よいものに理由が存在するならば、
人は一定の法則に従って、
それらを生み出すことができます。

しかし、人々が美しく心地よく感じるものを
生み出すことは、そう簡単なことでもありません。
繊細でとらえがたいものだからこそ、
それらは人々を魅了するのでしょう。

自然哲学者(物理学者・数学者・天文学者)の
アイザック・ニュートン(1642年~1727年)が
自然光の分光実験に成功したのも、
天体望遠鏡を開発している折にレンズが色ズレを起こし、
プリズムの研究をしたからと言われています。
newton

当時のヨーロッパでは、虹の色は5色とされていました。
ニュートンも、スペクトラムを発見した当初は
自然光を「赤・黄・緑・青・菫」の5色が集まったものとしていました。
ところがその後、音符や当時の太陽系の星々の数
(太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星)と同様に、
7という神聖な数が自然光にも存在すると考え、
「オレンジ」と「インディゴ」を加えて、
自然光は7つの色光で構成されると唱えました。

また、音符との関連についても仮説を立て、
教会音楽のはじまりの音であった「レ」の音から始まり、
菫から赤に向かって、
虹の7色が音と音の間と対応していると唱えました。オクターブ現代、音と色の調和や、
音と星々の運行の調和について、
盛んに論じられる機会はあるでしょうか。

現在、科学の世界において、音や光は
固有のエネルギー波長を放つ
電磁波や粒子の一種にしか過ぎなくなっています。

美しく心地よいものは、
私たちの内側から美しさを引き出してくれるだけでなく、
元気や自信を失ったときにも働きかけてくれて、
活力を与えてくれるもの。

美しさに神秘性を見いだし、
法則性を求めて手に入れたいという
当時の科学者たちの情熱が、
とてもまぶしく思えます。

富裕層が好きな色

これはアメリカの話ですが、
色の好き嫌いに、その人の経済状況が影響しているという
マーケティングデータがあります。
日本では、にわかに信じられない話です。

さて、どのような色が富裕層に好まれているかというと、

  • フォレストグリーン
  • 紫がかった灰色
  • バーガンディ富裕層の嗜好色といった色なのだそうです。

フォレストグリーンとバーガンディは、アメリカで3パーセントを占める最も裕福な層に好まれている色と言われています(http://goo.gl/Lb7mqo)。

また、紫がかった灰色は、高い社会経済的地位、知性、迅速な決定が連想される色と言われ、高収入の人は灰色に魅力を感じているのだそうです。白シャツ×ブルーグレースーツ
紫がかった灰色を連想させるものといえば、ラベンダーの花でしょうか。
ツタンカーメンの墓の中から見つかった壺からは、
ラベンダーの香りが漂っていたと伝えられています。
ラベンダーは古来から高貴な人々に愛されてきた色でもあり、
その文化が現代まで脈々と受け継がれているのでしょう。

フォーマル着では表現できない距離感をつくる

今日は、午後からとあるプロジェクトの打ち合わせで大阪市内へ。
日差しは温かですが、午後から雨が予測されています。

今日、お目にかかる方には、フォーマル感をあまり出さないほうが
距離を一層縮められると予感して、あえてカジュアルな装いを選びます。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

明るい日中に映えるシャツのターコイズカラーは、
創造力を発揮する時に力を貸してくれる色とされています。

また、白をベースに全体の色味をを明るくまとめ、
これから始まるプロジェクトが明るく楽しい展望となるよう、
願いを込めます。

皆さん、どうぞ良い一週間をお過ごし下さい。

湖畔の新緑を楽しむ

今日は日曜日、皆さんはどのように過ごしますか。
明日から天気がしばらく崩れるとのこと、
私はドライブがてら、折角の陽気を浴びることにしました。

たまにはこんなスタイルで、日曜日を過ごしてもよいのでは。
と、思い切って、鮮やかな色のトップスを選びました。OLYMPUS DIGITAL CAMERA自宅から車で20分のところに、大きなダム湖があります。
そのダム湖は人工的な造作があまり感じられず、
周囲の山と調和して、あたかも自然に存在していたかのような湖です。

木々の緑が湖畔の水面に映り、緩やかに空の色と混じりあうさまは
初夏を予感させる穏やかな景色です。
散策道から見える山の斜面の所々に山藤の花が咲いており、
新緑の鼻をくすぐる匂いがほのかに押し寄せます。

湖畔には時折、車を止めて釣りを楽しむ人の姿も。
ゆったりとした時間が、流れています。

この時期、彩り鮮やかな大自然に囲まれているだけで
幸せな気持ちになるのが不思議です。

色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年

最近、村上春樹氏が一年ぶりに
小説「女のいない男たち」を出版しました。

前作は、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」でした。色彩を持たない多崎つくるとタイトルの「色彩」という言葉が気になり、今更ではありますが、
先日、前著を読みました。

主人公の多崎つくるは30代の後半を迎える会社員。
東京の大学で建築を学んだ後、
東京の地下鉄会社で駅を作る仕事に携わっています。

「色彩」というタイトルのキーワードと関係しているのは、
つくるが高校時代に親しかった4人の友人たち、
それぞれ名前の中に色の漢字が含まれていて、
アカ、アオ、シロ、クロと呼ばれていました。

ある日突然、つくるは理由を知らされないまま
友人の4人から絶交を言い渡され、
深い心の傷を抱えて生きていくことになります。

そして、あるできごとをきっかけに、
つくるはそれぞれに暮らす彼らを20年ぶりに訪ねて
絶交の真意を聞くことになります。
それは、つくるにとって青天の霹靂ともいえるものでした。

一読して感じたのは、昔から変わらない、
村上氏の独自の世界観を読み手に伝える表現力です。
まるで物語が事実であるかのような不思議な現実味があり、
情景の描写には、瞬間の切り取り方にこだわりを感じます。
五感に訴える情報が細やかに描かれ、
思いがけないのに「なるほど」と感じられる比喩表現が
各所にちりばめられています。

彩り豊かな情景と、モノクロームのように沈鬱な
つくるの心情が対比をなして物語が進んでいき、
やがて終盤には、その対比が姿を消していきます。

「色彩」だけでなく、いろいろな角度から楽しめる、
含蓄を感じさせる作品です。

オーラが見えるメガネ?

今日は目に見えない話を書きます。

「あの人は、ただならぬオーラを放っている」
「今、私はオーラが弱っている」
など、オーラという言葉は、今ではすっかり日常会話の言葉となりました。
でも、実際に肉眼でオーラが見えるという人は、少ないと思います。

全国のヒーリングサロン等でオーラ写真の撮影サービスがありますね。
私も、昨年の8月上旬に撮影してもらいました。
こちらが私のオーラ写真です。オーラ撮影2内側のオーラが左から中央にかけて、不完全燃焼の色をしています。
運命の道を知りながら、事情があり、動きが取れない頃でした。
肉眼の見た目と裏腹に、いろんな情報が観測できるようです。

身体が発する電気の周波数が、
どのように「ふさわしい」色の周波数に置き換わるのかは
謎のままです。

しかし、古代の仏像に光背があるところを見ると、
やはり、見える人には見えていたものと思えます。

「色」の不思議を放っておけない私、
先日ついにイギリスの通販で、オーラが見えるメガネが
販売されていることを知りました。

AURA GLASSES

特殊な機械でなくても、メガネをかけてオーラが見えたら十分です。
早速、入手してみました。AURAGLASSES

メガネの染料を開発したのは、WALTER J. KILNER氏
ロンドンのセントトーマス病院で電気療法を担当していた技師の方です。

彼の本「The Human Atmosphere (1911年)」によると、
人間が熱以外に発している電気を観察するために、
いろいろな染料を試作した結果、
コールタール染料のディシアニン(Dicyanin)が
最もオーラ観察に適していたとしています。
上の写真の、ウルトラマリンの色の染料です。

取扱説明書によると、まず、
柔らかな光のある場所で、白い背景の前に人に立ってもらい、
1~10メートルの距離からこのメガネをかけて頭~首を観察していると、
次第に薄ぼんやりとした光が、その人の肉体から数インチのところまで
放射されているのが見えるそうです。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

光の条件が整っていないらしく、
私にはまだオーラを見ることはできません。
眼鏡をかけると、白い壁がすべて、ウルトラマリン色になります。
また、このメガネをかけて印刷された色相環を見ると、
赤~黄緑はすべて橙がかった赤に見え、
青はシアン(水色)に見え、緑は深緑になります。

また、興味深い発見がありましたら、
この場でご紹介したく思います。

旅行の服は軽く、しかし目的に沿って

16日は、大阪市内で打ち合わせのあと、
夕方から21日の朝まで5日間、東京で過ごしました。

目的は、とあるイベントの打ち合わせと
懐かしい友人との再会、そして、
鳥内浩一さんの「リーダーシッププログラム」です。

「旅行の服はなるべく軽くする」が私のこだわりです。
しかし、今回はカジュアルとフォーマルのシーンがあり、
いずれかの服の省略ができません。
そこで、アイテム数をミニマムに押さえつつ、
目的に適った服を選んでいます。

まずは、カジュアルウェア。
こちらは、RINASCIMENTOのジャケットと
CRISTINAEFFEのボトムズを兼用にして、
トップスを変えて、3日間使い回しです。

(1日目)コーデ2(2日目)コーデ3(3日目)コーデ1
さらに、上からベージュのトレンチコートを羽織って
朝夕の寒気や小雨から身を守ります。

一方、スーツは、ベージュなのにくだけて見えない
色みと形のものをセレクト。スーツインナーとジュエリーを変えて、こちらも3日間の活用です。

今回の滞在は、日数の割にタイトなスケジュールでしたが、
友人との絆が深まり、新たな友人を得ることもできました。
また、自分が進む道についていろいろな角度から考え、
軌道修正をするきっかけも得ることができました。

時々訪れる東京は私にとって、とても刺激的な場所です。

服の着合わせを考える幸せ

今日は午後から色彩心理に関するセミナーで、
大阪市内へ向かいます。

澄んだ青空の下、
葉桜の若々しい緑や八重桜の花が、
道の並木に連なります。

今日の装いはこちら。OLYMPUS DIGITAL CAMERA明るい日差しに映える、ボーダー柄のシルクチュニックに
ライトベージュのパンツとパンプスを合わせました。
風が強いため、防寒対策にコットンのトレンチを一枚羽織ります。

このトレンチはオープンフロントの身頃の
ウエスト部分をリボンで結ぶデザインになっていて、
こなれた感じの着こなしに仕上がります。
脱ぎ着で温かさを調整できるアウターは、
この時期とても重宝します。

胸元には、大きめのゴールドのサークルペンダントで
アクセントを効かせて。

まとう服の着合わせが時間内にまとまった日は、
一日がうまくいくような気がして、
とても嬉しいものです。

街に新しい服を探しに行くのも楽しいことですが、
ワードローブの服をいつもと違う組みあわせで着たり、
着崩したりすることで、
お金をかけなくてもおしゃれは楽しめるものだと思います。

特攻出発の地を訪ねて

一泊二日で、鹿児島県の知覧、指宿、鹿屋を訪れました。
第二次大戦の終盤に特別攻撃隊としてこの地から飛び立ち、
若い命を終えた兵士たちの最期のメッセージを
実際に見たかったのです。

コーディネートは、黒を基調に、
南国の日差しに映える色をセレクトしました。
(1日目)
OLYMPUS DIGITAL CAMERA(2日目)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA
トップスだけを入れ替え、荷物を軽くして出かけます。

昨年は海軍特攻隊を取り扱った映画「永遠のゼロ」が
話題を呼びました。
あの戦争から、もう70年を経たことに驚きます。

私は、幼少期から青春までを広島の中心部で過ごしました。
通った小・中学校は爆心地に最も近い学校で、
平和教育がとても熱心でした。

課外授業では、被爆者の方々の居宅を訪れては体験談を聴いたり、
折々に原爆資料館を訪れたり、
市内の川べりにはまだたくさんの被爆瓦が散乱していて、
夏休みに拾いに行ったりしていました。

「戦争はしてはいけない、平和が大切だ」
と繰り返される平和教育のメッセージは
とても共感できるものでしたが、
どうして戦争になるのか、平和とは何か、
平和をつくるにはどうしたらよいか、
ということは教わることのないままでした。

そして、平和公園内の慰霊碑に刻まれた、
「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」
という言葉に、まるで日本の大戦での関わり方を全否定するかのような
印象を受け、違和感を感じていました。

戦争を実際に経験していない私には、
戦争を体験した人たちの思いを計り知ることができません。
だから、せめて当時の人々の気持ちに寄り添いたいという思いがあり、
今回、知覧や鹿屋を訪れることにしたのです。

陸軍の特攻基地となった知覧、
海軍の特攻基地となった鹿屋にはいまも、
特攻で戦死した若者たちの
遺書や語り部、遺稿が多く展示されています。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

どのメッセージも、それぞれのいのちの最後のメッセージなので、
似た文面であっても読み飛ばすことができません。

両親にこれまでの感謝を捧げる者。
遺された妻と子どもに、気丈に過ごすよう託す者。
金銭の貸し借りや女性関係はありませんと言い遺す者。
両親には、自分が戦死したことをしばらく黙っていて欲しいと兄弟に託す者。
命は惜しくないが、犬死にが怖いと吐露する者。
日本を、欧米列強に一目置かれる、輝かしい国にしてほしいと託す者。
特攻の前夜に、「故郷の歌を唄いたい」と、アリランを唄った朝鮮人の若者。
約束した時間きっかりに、蛍になって同期に会いに来た者。

最期を覚悟した若者たちのメッセージは、
長い年月にも色あせず、見る人の心に響きます。

そんなメッセージに心を寄り添わせて気づくことは、
あの戦争で多くの人々が身を挺して国や家族、理想を守り、
多くのいのちが失われたからこそ、いのちの大切さを痛感し、
遺された者が使命を発揮して、敗戦の混乱を乗り越え、
いまの日本をつくったということです。

この歴史を、忘れてはいけないと強く思いました。

黒を着る日

今日はイメージビジネス関係者の集まりで、大阪市内に。OLYMPUS DIGITAL CAMERA

シルクの光沢感が特徴的なラペルのジャケットの下に
ブラックウールのプリーツスカートをまとい、
フォーマルな印象をつくります。

また、顔周りを明るく彩り、
血色を足してくれるベージュカラーの
コットンシャツをジャケットの下に合わせて、
ソフトな雰囲気に整えます。

首元には、ほのかな金色のネックレスを飾り、
明るい春の空気をたずさえます。

私にとって、黒を着る日は日常の一日ではなく、
どこか背筋が伸びる特別な日です。

そして、黒を着ることで、改めて決意を深めたり、
自分のあり方をじっくりと問ってみたりして、
色とりどりの毎日へと戻っていくのです。